前回は大学3年次に行われる編入試験の概略と筆記試験の事を書いたので、今回は面接の対策について考えてみたいと思います。なお、今回も対象は理系の3年次編入とします。
編入試験の面接では何が聞かれるのか?
まず、編入試験の面接では何が聞かれるのかを経験に基づき考えてみたいと思います。
編入試験の面接は院試の面接と似ている
大学院入試(院試)ではほとんどの場合で面接が課されます。そのため以下のエントリーは対策の助けになると思います。
どのような点が似ているかというと、どちらの試験でも「志望動機」「今後の進路」など、聞かれることの多くが共通しているからです。
しかし、編入試験の場合、他の学校(大学・短大・高専etc.)から志望している大学の3年次に編入するという特殊なケースなので、この点についても上手く工夫して面接では伝える必要があります。
面接での「志望理由」はどうするか?
先述の通り、院試とは異なり、今在籍している学校から他の大学へ編入するという事は、何か大きな志望理由があるはずです。よって、この理由が伝わるように面接試験では表現する必要があります。
例えば、他の大学から編入するケースを考えると、面接では「なぜ今の大学ではだめなのか?」といった質問をされる可能性が考えられます。このような質問に対し、論理的に回答をする必要性があります。
また、研究室配属の事を考えて、希望する(もしくは興味がある)研究室がある場合、それについても触れた方が、志望度が高いように見えて効果的かもしれません。
自分の場合、農学部系統の学部から理学部へ編入しました。その際、「自分は生物学をマクロではなくミクロ的な視点で学びたいと考えている。もう少し具体的に言えば、細胞生物学や生化学に興味を持っている。現在自分が所属している学科(応用生物系の学科に在籍していました)では、生物学と、その応用について学ぶことはできるが、自分が学びたいと考えているミクロ的な生物学は学ぶことが出来ない。また、貴学理学部の〇〇研究室では、生化学的な研究を行っていて、私はこの研究のに興味を持っている。…(中略)…よって貴学理学部を志望する」みたいなことを言った記憶があります。
学校によっては成績について何か言われるかも
学校によって色々な場合があると思いますが、自分の場合、試験官の手元に自分の成績証明書があるようでした。だからなのか、成績についても質問されました。
サークルなどを聞かれたときは危ない!…かもしれない
噂で聞いたことがあるのですが、サークル活動など本筋とは関係のないことを聞かれたときは、「面接時間に対して尺が余ってしまい、聞くことがないから仕方なく聞いた」可能性があるらしいです。この場合は、(面接時間が余ってしまうほど)内容がなかった可能性があるので、どうにもならないかもしれません。こうならないように、志望理由などはしっかり答えましょう。
口頭試問には気を付ける!
大学によっては、募集要項の面接のところに「口頭試問を含む」と書いてある場合があります。
例えば某大学の募集要項を見るとこう書いてあります。
では、具体的に口頭試問とは何なのでしょうか。
様々なパターンが考えられますが、一番簡単なのは専門用語についての知識が問われるものが考えられます。生物系の場合、例えば「ミトコンドリアの電子伝達系では何が行われますか?」「窒素固定について説明してください。」「ボトルネック効果とは何ですか?」といった感じですね。
これについては、参考書や専門書で用語の定義を確認しておくぐらいしか対策が立てることが出来ないと思います。
工学系や数学系の場合、ホワイトボードを用いて試験官の前で計算をさせられることもあるようです(もはや口頭ではないと思いますが…)。
実録!編入試験の面接
では次に、自分が今の大学に編入した時の面接試験を振り返ってみます(参考程度にしてください)。
試験室に入室すると、以下のようなレイアウトになっていました。
顕微鏡が置いてあって内心「これはヤバいな…」と感じたのを覚えています。
自己紹介をし、着席。
まず試験官の一人に、目の前のプレパラート2枚を顕微鏡を使って観察するように言われました。
言われたとおりに顕微鏡で観察。一挙手一投足が観察されていました。
ここで、プレパラートのうち一枚を上手く観察できませんでした。
先ほどの試験官に、何が観察できたかを聞かれ、その生物名を答えました。また一枚上手く観察できなかったことも正直に申告しました。
次に、バインダーを開くように言われました。バインダーを開くと、先ほどの顕微鏡で見られた生物の顕微鏡写真が掲載されていました。ここから、その生物(ゾウリムシとミドリゾウリムシでした)についての質問を何問かされました(「共生説とは?」「寄生をする生物の例は何がありますか?」など)。
次に、別の試験官から「生物学にはケミストリーの知識が必要」と言われ、pHの定義を質問されました。そして、ある特定の試薬を調製する際の計算を後ろのホワイトボードを使ってするように言われました。この計算問題は3題(確か)行われました。
これが終わると、また別の試験官からバインダーのページをめくるように言われ、言われた通りにページをめくると日本語で書かれた手紙が出現。「では、この手紙を5分で英語に訳してください。わからない単語は日本語のままで構いません。」と言われ、計算用紙に手紙を英訳。手紙の内容は「私は○○大学に所属して、生物を勉強している。日々、畑でじゃがいもやかぼちゃなどの作物を栽培しして、生化学や分子生物学の本を読んでいる…。」みたいな内容。ここで、緊張のあまり「じゃがいも」の英単語を度忘れするミスを犯してしまいました…。分子生物学とかのテクニカルタームは書けたのですが。8割ほど訳して時間切れに。
この手紙の英訳が終わってやっと志望理由の質問。そして、大学の成績について少し聞かれました。
そしてやっと終了。所要時間はおよそ40分(!)。もうヘトヘトでしたね。
終わった直後は、「落ちたな…」と思いましたが、結果は合格。なぜ今でもあの面接で合格したのかよくわかりません。
という事で今回は編入試験の面接の記事でした。試験勉強頑張ってください。
コメント