前回は全体の話をしたので、今回は学力試験の対策について書いていきたいと思います。
専門(生命科学)、そして英語の対策についてです。
専門科目(生命科学)
ほぼ全ての生命科学系の大学院では、専門科目の筆記試験が課されると思います。
「生命科学」という科目名が、広い生物学の範囲の中からどの分野のことを指しているかは議論の余地が有りますが、とりあえず生化学・分子生物学・細胞生物学がメインという事で話を進めていきます。
どこの問題でも先ほどの三分野の問題は必ず出題されると思います。あとは研究室の研究内容によるでしょう。
テキストは何を使うか?どう使うか?
さて、具体的な対策ですが、まずは一冊、教科書を通読してみてください。教科書としては、有名な「Essential細胞生物学(原書第4版)(南江堂)」、もう少しあっさりしたのが良ければ「理系総合のための生命科学 第4版〜分子・細胞・個体から知る“生命”のしくみ(羊土社)」あたりでしょうか。
個人的には、「細胞の分子生物学 第6版(ニュートンプレス)」も持っておいた方が良いと思います。大学院へ入った後のリファレンスとして使えますし、損はしないかと。
問題演習用としては、「生化学・分子生物学演習(東京化学同人)」がオススメです。
生化学、分子生物学、細胞生物学、遺伝子工学・分子医学の章を重点的に解くと良いでしょう。
この本の良い所は、重要な知識が複数の問題で繰り返し出題されているため、定着しやすい所です。また様々な分野が収録されているのでコスパが良い!
自分はさらに問題を解いてもう少し情報が欲しい時は「ふせん」のように他のテキストから表や図を持ってきて問題のページに貼っていました。
こんな感じですね。
生化学・分子生物学演習を2周ぐらいしてもよいと思います。分からないところはその都度Essentialやセルを参照する感じで。
追記:この本の使い方についてもう少し詳しく考えました。
過去問はどうする?
過去問はネットでダウンロードできることが多いので必ず手に入れましょう。所によっては郵送で送ってもらわなければいけないところも有るかもしれません。最低3年、できれば10年分ぐらい手に入れることが出来ればよいと思います。
過去問を手に入れたら、まずは全体をザッとみてどの分野が多く出題されているか傾向分析をしましょう。セントラルドグマがよく出題されている、シグナル伝達が多く出題されている、みたいな感じで。その分野は少し深めに知識を入れておく、といった対策が出来ると思います。
直前一か月で時間を測って過去問を解くのも、本番に向けて良いトレーニングになると思います。
英語
今の理系大学院の主流としては、英語はTOEIC(東大はTOEFLだったかな?)のスコアで代用のところが多いと思います。TOEICのスコアとしては、700ぐらいあれば足を引っ張られることは無いかと。
自分が受けた京都の某大学院は、英語のペーパーテストが有ったので、それの対策も軽く述べておこうと思います。
テキストは何を使うか?どう使うか?
まずは単語帳で単語力を増強しましょう。個人的にはDUO 3.0がおすすめです。生命科学系のテクニカルタームを覚えるのには、Essentialの章末の単語リストや、生化学・分子生物学演習の「英語も覚えよう」コーナーを使いました。
長文読解に関しては、関連分野の英語のレビューを数本読んでみると良いと思います。Nature ReviewsなどはFigureも綺麗で読んでて楽しいと思います。
また、自分の受けた大学院では、英問英答が有ったために英作文対策として「英語表現力養成新・英作文ノート(日栄社)」もやりました。薄い本なのですぐ終わらせることができます。
過去問はどうする?
英語の過去問は著作権の都合上文章部分が塗りつぶされていることが多く、あまり訳に立ちません。しかし入試説明会に行けば塗りつぶされていない過去問を手に入れることが出来る場合があります。
詳しくは下の記事で。
これも専門同様、文章のジャンル、出典、問題形式について傾向分析をしてみましょう。
直前に時間を測って解くのも良いですね。
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